「今度ダンスパーティがあったら他の誰かが私に申し込む前に申し込みなさいよ!最後の手段じゃなくって!」
ハーマイオニーは荒々しく女子寮のドアを開け、綺麗に結った髪をほどき、髪飾りをベッドに叩きつけた。
あの言い草は何なの、と怒りに任せて靴を放り投げる。
ヒールの部分が折れた音をも無視してドレスローブからパジャマへと着替え早々にベッドへ潜り込んだ。
幸い、部屋のみんなはまだパーティを楽しんでいる。
彼女たちがビクトール・クラムとのことをしつこく質問されるのは目に見えていたし、今はビクトールのことを話す気分じゃない。
ブルガリアの国民的英雄と踊ったあとでも、赤毛の少年のことを考えている自分自身に嫌気が差した。
綺麗だ、なんて言ってくれなかった。
踊ろうか、とも言ってくれなかった。
それでも。
良かったのかもしれない。
だから、早く気づいて。
その感情に。
--End